pc4beginnerの日記 はてなブログ版

はてなダイアリーで書いていたブログの移行です。

ITのゼネコン下請け企業が今考えなければいけない事。

2年ぐらい前に書いてあったメモを発掘したので、手直しして備忘代わりに貼り付けときます。↓


IT産業ではシステムが持つリスクを、それを抑制できる人材、つまり技術者の人材派遣で補うという考え方(アウトソーシング)があります。


つまり、IT産業の人材派遣は、必要とされる技術があることによって成り立つビジネスモデルであるといえます。従来はシステムが基盤からアプリケーションまでパッケージとして導入していたっため、技術は多岐にわたっていました。そしてシステムが拡大、増大することによってシステムの人材派遣は成長市場となっていたと考えることが出来るでしょう。


しかし海の向こう、アメリカではこの技術者の価値を破壊するインターネットを使った新しいサービスであるSaasクラウド等が大きな力となりつつあります。まだ大きくはありませんが、かつてホストがオープン系のシステムにその座を浸食されたように、現在のように完結したシステムを販売するという形態がこのようなネット上のサービスを利用したシステムorネット上で完結するサービスにその座を浸食される可能性は無視できないでしょう。


その理由は、「コスト」です。とにかくネット上にあるサービスは安い。これはオープン系がホストに取って代わろうとしていた頃の武器の一つでした。


オープン系がホストに取って代わろうとした際には、「あんな信頼性の無いものを」とホスト技術者の多くが言いましたが、信頼性は増える技術者と積み重ねた改良により打ち消され、絶対的コストが安いオープン系はその座を奪い取りました。もちろん金融に代表される一部システムはホストが主流ですが、オープン系が食い込んでいないわけではありません。全業務をオープン系で刷新したケースは幾つもあります。


同じ事がネットサービスvs既存のオープン系で起きないとは言えないのではないでしょうか。特にこの未曾有と呼ばれる不況の中で、コスト削減を求められたときに代替案があるのならば、どのような流れが起きるのかは想像するのは難くありません。自らが行ってきた過程なのですから。


ちなみに信頼性ですが、amazonのs3は99.9%の稼働率を保障しています。年間で数時間しか止まらないと言っているこの割合を、多いととるか少ないと取るかです。これぐらいの障害なら、オープン系を採用したサービスなら発生してもおかしくないレベルです。


ちなみにネットサービスのコストが安い理由のひとつに、中〜下流工程の人員が少なく済むことが挙げられます。つまり、SIerアウトソーシングはネットサービスの割合が増えれば増えるほど減る可能性があるわけです。


エンドユーザーに直接アプローチできるシステムサービスを提供できるために何が出来るか。小さな零細IT企業が今これを考えなければ、この先生きていくのが難しくなる可能性が有ります。もちろんこれが全てではありませんが、方向性の一つとして考えなくてはいけないルートと思われます。


数年前に某WEB広告代理店の取り組みについて個人的に調べたことがありますが、何故営業と宣伝(広告)の会社なのか、やっと見えてきた状態です。これこそ、IT企業の多くが不足している「技術」の一つなのですから。