pc4beginnerの日記 はてなブログ版

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近所が不便な理由

先日、自転車を買った。
買ったのは近所に出来た小さな自転車屋さん。ホームページすら無いこの自転車屋は、笑顔がすてきな店長さんが手を機械油で真っ黒に染めて一人で切り盛りしてる。


最初に寄ったのは散歩の時。開店セールの言葉にふらりと寄ったら「安くしますよ」と、かわいい自転車を勧めてきた。
こんなの。 ブリヂストン vegas(ベガス)
嫁さんがずっと自転車欲しいと言ってたのと、その自転車が良かったのでパンフをもらって検討してみた。


「近所に自転車屋さんあると便利だよね」


錆び錆びのおんぼろ自転車も嫌な顔せずちょいちょいと直してくれる、店長さんも我が家ではお気に入りとなった。


何度も足を運んで意見を聞き、結局は無難な26インチのママチャリを買う事になった。
選んだのは子供が出来ても安心で店長さん一押しのこのモデル。 →ブリヂストン カルーサ
で、いざ購入となったとき、嫁さんからこんな言葉が出て来た。


「でも、やっぱり高いよね」


ディスカウントストアで1万円で自転車が売られているご時世に、良い物とはいえ割引き後の価格が3万5千円。
このお店はギヤ無し自転車もセール価格で1万8千円。比べれば高い。


「他の店で買う?」


家計を預かる立場としてはまっとうな意見だけど、それは即却下だった。
理由は、嫁さんが言ったこの言葉だ。


「近所に自転車屋さんあると便利だよね」


その便利さを維持するためには、自転車屋さんが商売を成り立たせないといけない。
この店長さんなら嫌な顔せず面倒見てくれそうだけど、商売が成り立たなければお店はたたんでしまうだろう。
それでは困るだろ?と言ったら納得してくれた。


そう、商売が成り立たなければお店は無くなるのだ。


何でもかんでも激安店で買い物をし、ネット通販でお得商品を見つけて自慢する人がいるけど、そう言う人に限って


「近所に店が無くて不便だ」


と不満をこぼす。
そりゃそうだ。あなたが買わないんだもの。


ちなみに今回の震災で役だったのは、ご近所にあるちまちまとしたお店。
業態がコンビニなどになっていても中身は「個人商店」だ。


原発自主避難の南相馬・原町地域で物資供給基地の役割を果たすセブン−イレブン


売店ならまだしも、自転車などは「技術者」が修理やメンテナンスをする基地になる。それが遠くにしかないなら、修理もメンテナンスも億劫になってしまう。


その不便さを受け容れるなら、激安を追い求めればいい。
でも近所にお店がたくさんある、便利な住環境を作りたいなら近所の店で買い物をすべきでしょ。


震災の時「近所に商店が無くて困った」と言った人は、昔はあったはずであろう近所の商店に買い物に行っていたか考えてみてはいかがでしょう。


なんて。