pc4beginnerの日記 はてなブログ版

はてなダイアリーで書いていたブログの移行です。

会社ブログのありかたについて

あるIT系の会社でのこと。

既に退社してしまった社員がブログでの週報提出の仕組みを作ったのらしいですが、これが諸事情(例えば経営的メリットが見いだせない)で一旦幕を閉じることになったそうです。

いろいろ問題や悩みもあったそうなのですが、数年運営がされていたのは評価すべき事なんじゃないかと勝手に考えています。





しかし経営的メリットが見いだせないブログを続けて一体どうなんだ、と言われたら、とりあえず閉鎖するという選択肢は有りでしょう。本来業務で使うブログってのは様々な考えが集まり、それに対してコメントや意見がされることによってその考えが精査されたり、軌道修正できるというメリットが発生する物です。また、顔を合わせる事が少ない我々のような組織では、この書き込みを見ることによってそれぞれの近況が掴め、久しぶりに会ったときにも会話をすることができます。という具合に、有用なツールだったはずなのです。これは私を含め、週報提出やコメントをつけることををサボった社員側に責任があると思います。そこでのメリットをきちんと引き出し、運用を続けていたらこのような判断いならなかった可能性もあるでしょう。



また、経営的な話もさることながら、やれ個人情報の保護だの、ISOだの、情報のオープン化に対して非常にコストがかかる時代になってしまったこともあり、牧歌的な運営ではやってられなくなったという側面があるんじゃないかと思います。情報の漏洩に過敏な会社に派遣されれば現場のことはかけませんし、技術的な内容も現場が特定出来てしまうためNGという判断と聞いたこともあります。



では、このままブログは廃止して終わり、というにはちょっと時期尚早かと思います。



ブログは社会的に認知されたシステムになっていることと、「週報をブログで提出している」と言って感心されたこともあるように、システム屋として実験的な試みに取り組むというアピールに繋がります。ブログシステムの構築という基盤技術、情報を守るためのセキュリティ対策技術、運用ルール策定によるシステム運用の蓄積など、技術屋として学ぶ教材としても実は有用なんですが、そんなことを誰かから聞いたこともありませんし、また言っても「それで仕事になるの?」と、会社のお金を動かす人たちが営業と直結した話しかできない状況ではアピールすらできません。業務に直結はしませんから。



しかし汎用的な技術は、どんなIT技術でも学ぶことができます。顧客の要望を聞き出す要件定義のトーク、設計を確かな物にするコーディングや基盤(ハードウェア、OS、DB)の知識、未知の技術に取り組む際の作業の進め方、常にフィードバックを繰り返し、手順書だけでなくそれを使う人を育てる運用のノウハウなど。業務経験として求められるのは、IT的な技術はもちろんですが、そんなバックボーンを持っているかどうかを求められているのではないでしょうか。



こんな事をいろんな人に回覧できることもブログの強みです。興味を持つ人がこれを読み、なにか考えてくれることで何かが前に進む。そんなことはないでしょうか。



最後に、この話と話したとき、うちの嫁さんに言われた言葉で締めたいと思います(本人了承済)。



「手間がかかるから辞めるって、週報を管理する人がいるんじゃないの?」

「みんなバラバラの現場で働いてるんだから、良い仕組みだと思うけどね」

「そもそも、こういう問題を解決するのがあなたたちの仕事じゃないの?」



私は一言も言い返せませんでした。



SEの仕事って一体何だろう?



それを考えながら嫁さんの言葉を読み返すと、ITの仕事って何だろねと考え込んでしまいました。