pc4beginnerの日記 はてなブログ版

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自転車と馬泥棒

今日は通勤途中で、茂みに打ち捨てられている(路上駐輪している、ともいう)ESCAPE R3を見かけませんでした。愛車と同型同系色の自転車が、薄汚れた状態で使われているのは見るに忍びないのでそれはそれでよいのですが。


それにしても、自転車を大事にしない日本人が多いように思います。たとえそれがドンキホーテで買ったアンダー1万円の自転車でも、気に入って買った愛車をメンテナンスもせずうすら汚れたまま乗り続けるというのはよく分かりません。


で、ふと思ったのがこのあたりに自転車泥棒のメンタリティが反映されているのかな、と。


昔、某所で働いていたときに自転車ドロで御用になった同僚の先輩がいたのです。まぁ、大したこともなく釈放されてきたのですが、帰ってきて一言言ったのがこれ。


「大した問題でもないのに大事にしやがって」


コラコラ。先輩なので言えませんでしたが、ちょっとカチンと来た言葉でした。


自転車はおそらく人間が使う乗り物の中で、最も身近で有用なものだと思っています。自転車、バイク、車と所有していますが、移動距離が許す限り最も使われるのは自転車です。だから日々メンテナンスを行い、常に快適に乗れるよう心がけています。


それが盗まれたら、ちょっと困りますし何より悲しい。
この先輩にはそれが分かっていないのです。


とはいえ、前述の茂みに打ち捨てられた自転車を見ているとその限りではないかも、と考える事があります。この先輩も「使われて無さそうなのを選んだんだよ」とか訳の分からない事を言ってましたが、そう言う自転車が駅前で放置されているのもよく見かけます。盗難車かもしれませんが。


その昔、馬泥棒は重罪でした。馬は大切な移動手段であり、運搬道具であり、そして高価なものでした。何より生き物なので、家族のように大切にされていたと思います。


それに対して自転車は安価になるあまり、手をかけるより買い換えたほうが安上がりな乗り物になってしまっています。その結果大切にされなくなり、重要度が失われ、盗んでもすぐに釈放されるようなものになってしまいました。


(私の懐事情では)十分高価な自転車を買い、愛着を持って接していると自転車の不遇さを感じますが、それは持ち主一人一人の心持ちが原因のような気もします。


そんなわけで、今日も盗難を恐れる持ち主によって私の自転車は室内で保管されています。場所を取る厄介者ですが、今の日本ではこのようにでもしないと安心出来ませんから。


愛が足りないんだよ、今の日本は。