難しい言葉を噛み砕く、ということ。
先月、一本もエントリ書いてないのに気がついたのでツイッターからひとつまみ記事。
ツイッターで某IT戦士がこんな事を呟いておりました
RT @yukatan: 日経ビジネスは今後、ITジャーナリストに寄稿を依頼しませんってことかな・・・。言いたいことはわかるけど、言い方がひどい。人を否定しなくても、同じ趣旨のことは言えるんじゃないかなぁ
ネタ記事はこれ。↓
http://business.nikkeibp.co.jp/article/NBD/20120928/237408/
「声なき声」に耳を傾けているか
前述のつぶやきはさておき、日経のこの文章は何を言いたいのかよくわかりません。翻訳し切れていないというのなら、翻訳しきってみせるのが仕事だろう、と思います。理解できない言葉の羅列ならリテイクすればいいのです。批判するならそれに見合う記事を掲載して、といいたいのですが、いかがでしょうか。それが新聞社の仕事だろう、と。矜恃、と言い換えても良いです。
大手新聞社の取材を受けて、記事化されると「こんな簡単な内容になってしまってごめんなさい」と言われることがあります。とんでもありません。IT素人にわかるように翻訳してくれた結果がこれなのだから、こちらとしては感謝しかないのです。私の専門用語混じりの言葉を、普通の人に伝わる言葉にしてくれてありがとうと。これがプロの仕事ではないでしょうか。
文章を武器にする人が、自分の作る文章に泣き言を入れるのは許されることなのでしょうか。その文章というものの可能性を引き出すことがその人の技術なのですから。そんなことを文章だけだと情報を伝えきれない半端物がつぶやいてみます。
文字だけで相手に興味を持ってもらい学んでもらうのは凄い高等技術です。中々出来る事ではありません。引用ページから抜粋しますが
筆者の原稿も、専門用語の塊になってしまい、ともすればこういった記事と同じような風体になってしまう。
とあります。
これは専門用語を翻訳する知識という基礎体力が無いからではないでしょうか。この専門用語の翻訳で非常に素晴らしい技術を持っているのが池上彰さんです。例えばこの著書。
【アフィリエイトリンク】
この著書の第1章に、「深く理解していないとわかりやすく説明できない」という小段落があります。私は「IT素人」からの取材を受ける際、これに特に注意して会話を進めます。相手の表情やメモの進み方から理解できる言葉になっているかある程度判断できるので、それらに気を配りながら会話を進めます。そして最後に上がってきた原稿を見て、きちんとした内容になっていればはじめて仕事がうまくできた、と感じられるわけです。
この本は他にも日常の会話や仕事で役に立つ「考え方」が満載なので、是非一読することをお奨めします。上記のリンクから中身をチラ見することも出来ます。
以下、新聞社側への苦言です。
IT系の情報は専門的な言葉が多く、解説に非常に手間がかかります。おそらく政治や経済と比べても遜色ないでしょう。しかし記事は非常に小さなエリアにコンパクトにまとめられるのががほとんどです。日経の記者は、たとえば経済や政治情報をあの分量でまとめられるのでしょうか。編集部門の責任者に正座して問いただしてみたいです。
今日はそんな礼儀正しい感じで。