pc4beginnerの日記 はてなブログ版

はてなダイアリーで書いていたブログの移行です。

消えた「中間管理おじさん」と「お節介」

去年の4月に書いた「アタマのいい人を働かせる解決策と、それが抱える問題点」の最後で問いかけた

しかし、昔は組織の中に緩衝材と呼ばれる人たちがきちんと組み込まれ、機能していました。
次回はそんな緩衝材が何処に行ってしまったのか書いてみたいと思います。

を受けるエントリを書いてなかったようなのでちらっと書いておきます。


この緩衝材とは、暇な時間がある中間管理職のおじさん達のことです。何処に行ったかというと、会社に居ることは居るけど緩衝材としての働きは辞めてしまった、もしくは(特に早期の)定年退職で会社を辞めてしまったようです。残った人は普通に目先の仕事をこなしています。これについては後述。


私が就職するちょっと前の世代では「こいつ仕事してるのか?」的な中間管理職がちらほらといたようです。推測なのは実際にそれを確かめたからではないためですが。


しかし大企業で3年ほどお手伝いしたときにはそんな古き良き時代を引きずった方が実際にいましたし、実家が接客業を営んでいた関係でそう言う話を聞く機会は結構ありました。というか、私そのものが接客業を営んでいた時代もあるのですがここでは割愛。


ちなみにこの緩衝材となれるおじさん達は頭が悪いわけではありません。「考える」事は大好きだけれども「仕事」は嫌いなパターンが多く、結果目先の利益にとらわれず遠くのビジョンを描くことができる人が多いです(私が見聞きした範囲では)。会社が課す売り上げノルマよりも、自分が考えたことや見えてしまった問題点を潰すことの方にやりがいを感じてしまうのですね。


これはビジネスマンという戦士としてはいかがなものかという感じですが、会社組織はほとんどが不完全なものなので、こんな人たちがその不完全さを「緩衝材」として補っていたわけです。ところが会社からそんな事を許す「ブカブカさ」が消えつつあり、決して頭が悪くない緩衝材の方々は仕方ないので目先の利益を追うようになっていっています(これ、残り香のする方に直接言われました)。


こんな理由のため現代の会社組織では緩衝材はほぼ死滅してしまったと思われます。私の所属している会社でも既に緩衝材となるブラブラしている係長〜課長クラスのおっさんは見かけなくなりました。その結果優秀な人材が流出、もしくは在籍していてもやる気を失ってアイデアをあげてこなくなり、それが原因で会社が衰退していく悪循環が起きているような気がするのです。


まぁ、衰退という視点ではこれはあくまでも一因で原因の全てではありませんが、少なくとも優秀な人材が産み出すビジネスのネタが減っているのは間違いないと思います。ビジネスとはアイデア(企画)をもとにそれを実現(技術)し、広めていく(営業)ことで、そうやってカネを稼ぎます。稼ぐ元が枯渇すれば稼げません。そしてそのアイデアを生み出す人たちは、実は緩衝材に守られることではじめて真価を発揮するものなのです(一部必要としない人がいますが、そんな人材は人を使う方に回るのでここでは割愛)。


あと、緩衝材が消えたことでギスギスした空気が蔓延している会社が増えているような気がします。緩衝材はじつは優秀な人材だけでなく、「お節介」という手法を使って若手と会社をつなぐ事もやっていたわけです。


このおじさん達がやっていたのは本当に単なるお節介です。そして現代社会(特に若い人たちの間)ではお節介を忌み嫌う風潮が増えているような気がします。自分のことは自分でやるし、他人に干渉している暇はない、と。


しかしお節介はそんな風に割り切って良いものなのでしょうか。そして若い人たちにこのお節介は不要なモノなのでしょうか。


いいえ、そんなことはありません。これは現代社会で結構な問題のネタとなっているのですが、これについて詳しくは次の機会にしたいと思います(次はいつになるのやら、ですが。)


今日はそんな感じ。