メンテナンス不良の自転車達
自転車を買ってからというもの、町を走る自転車を意識して見るようになりました。
そこで気づいたのが、高そうな自転車でもおざなりな扱いを受けて居るものが散見される事。殆どの方はそんな事はない(と思う)のですが、たまにチェーンがギコギコ鳴っていたり、空気圧が明らかに足りなかったり、茂みに打ち捨ててあったり(駐輪している、ともいう)、錆び錆びだったり。
どんな高級自転車でも、メンテナンスを怠れば性能は発揮できません。
チェーンの注油切れはスピードが出なくなるだけでなく、チェーンそのものも痛めてしまいます。空気圧が足りなければ、パンクしやすくなります。茂みに打ち捨ててある自転車なら、想定しない方向からの長時間の圧迫で変速機などのデリケートな部品に支障をきたす事だって考えられます。錆は様々なトラブルの元凶です。
「メンテナンスする時間が無いんだよ」
じゃあ、たまに自転車屋さんに持ち込んでメンテナンスしてもらいましょう。数千円で見違えるようにピッカピカにしてくれます。
「お金がない」
じゃあその自転車、手放したほうが良いですよ。というか、高級自転車買うお金あるなら、その分グレード下げてメンテナンス代にまわした方が快適に乗る事が出来ますよ。
数十万もする自転車が自転車雑誌で幅を効かせるのを見ていると、だから(本当の意味での)自転車のマーケットはバイクと同じように衰退してしまったんだなぁと感じてしまいます。
どんな機械も、メンテナンスは欠かせません。
機械は使えば何処かが消耗し、交換や整備が必要になります。
それにはお金がかかります。
若かりし頃、私は毎晩車を乗り回し、タイヤやガソリン、オイルや部品代などで金がいくらあっても足りませんでした。そして一時の熱病が去り、生活を考えるようになった時にこの車は手放しました。ただしそれは所有しているだけで高価な維持費がかかったからで、飾っておけるものだったら分かりません。
自転車はちょっとかさばりますが、飾っておける代物です。維持費もマンションの駐輪場などを使っていれば多少かかりますが、子どものお小遣いでも問題無いレベルです。そして何もしなくても、とりあえず走ります。
だから、その問題に気が付かない人が多い。
せっかくの自転車、ちゃんと維持して快適に乗って欲しい。
そんな風に言うのはお節介なのでしょうか。
悲鳴を上げる自転車を見る度にそう考えてしまうのです。
もちろん、ママチャリではメンテナンス不良率は異常に高くなります。自宅近くの駅周辺では、悲鳴を上げながら走っている自転車がたくさんいます。一方では私の嫁さんのチャリンコのように駐輪時はカバーが被せられ、乗る度に汚れを拭き取り大切に乗られているものもあります。どちらが自転車、いえ、持ち主にとって幸せな事なのか考えてみては如何でしょうか。
機械は手をかければかけるだけ、持ち主に応えてくれるものですから。