アタマのいい人を働かせる解決策と、それが抱える問題点
頭のいい人がサボる理由(なんて勿体ない)の続き。アタマのいい人の定義もこちらのエントリでどうぞ。
アタマのいい人に働いてもらうためには、何が必要なのかという話。
答えは緩衝材。間に入ってゴニョゴニョやってくれる人の事です。接着剤と言っても良いです。それもぴたりとくっつける奴じゃなくて、クッションも兼ねてる奴。
アタマのいい人は良案が閃いても、説明がめんどくさいとサボります。
そこで緩衝材がそれを理解し、拡散し、必要なところとくっつけます。
すると有益な情報が円滑に回り始め、それで良くなった結果アタマのいい人は次のアイデアを閃きます。それが何度か回るうちに組織の中で情報が徐々にスムーズに回るようになっていきます。するとアタマのいい人はサボる理由が無くなっていき、働き始めてくれます。素晴らしい。
でも、それはなかなかうまくいっていません。
その理由を幾つか挙げてみます。
・緩衝材にはリターンが少ない。
緩衝材の仕事ははっきり言って見えません。当事者すら気が付かないものが多いです。ボーナスの査定何かしたら何もしていないように見えます。人と人の間を動き回ってる間、自分の仕事してないんですから。
つまり、緩衝材の素養がある人も組織に属している以上このような損な役回りを引きうけうるメリットはあまりないわけです(実はありますが)。
・そもそも緩衝材の有用性を理解している人が少ない
緩衝材は緩衝材やってると怒られます。
自分にはなんのメリットも無く、それでもゴニョゴニョ動いていると怒られるんです。
そう、怒られるんです。
だって業務じゃないから。
そう、業務じゃないんです。
必要性が認められてないから。
組織ってのは上が考えた仕事をこなしていくのが原則です。そこで意図しない仕事をされたら組織が崩壊します。だからこれは正しい。
しかし、では有用な情報が伝達されないのは組織としてはメリットでしょうか。デメリットでしょうか。どちらが正しいかわかっている人は大なり小なり緩衝材として働きます。
では良いじゃん?と思うでしょう。これがやばいのです。
・緩衝材が中途半端になる
問題を理解した人たちは、緩衝材となるべく動き始めます。
しかし本業の片手間ですから、その緩衝材ぶりは中途半端です。この中途半端、が問題となります。中途半端に緩衝材が入るとろくな事になりません。
その理由は、緩衝材が入った安心感で、派手にぶつかり合うことです。より激しく、油断した状態でぶつかり合ってるときに緩衝材が機能できなければ、結果としてより派手に傷つけ合う事になります。
結果、情報の断絶という悪循環が始まります。アタマのいい人は「なんだ、結局理解できないじゃん」となり、上司は「結局何が言いたかったんだ」と諦める。なんと素晴らしい喜劇でしょう。
しかし、昔は組織の中に緩衝材と呼ばれる人たちがきちんと組み込まれ、機能していました。次回はそんな緩衝材が何処に行ってしまったのか書いてみたいと思います。
続く。
(2012/05/22追記)
続きを書きました。→これ