pc4beginnerの日記 はてなブログ版

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電波を巡るメディアのいやらしさ

最近、携帯電話やテレビ、アマチュア無線等が使う電波の周波数再編が進んでいます。もちろんテレビ局もその例外なく影響を受けます。この周波数を使えるというのは事業に関わる事なので「既得権」として所有者が主張し、テレビ局もその例に洩れず自分の確保している周波数を守るべく必死に努力しています。

そんなテレビ局の持つ一部の電波が再編される事になったのですが、そのテレビ局の大株主である新聞がなんとも味のある記事を掲載しています。それが11月30日の朝日新聞web版に掲載された記事。

周波数再編、劇場困った マイク使えない?TV中継にも影響

嘘は言ってないですし、書いてある事は事実ですが「文化」を前面に押し出して自分たちの利権をこっそりと主張するように読める記事です。

たとえば、この記事内では今の機器を無償でリプレース出来るメリットにほとんど触れていません。機械は消耗品なので、スポンサーが新しい技術開発と機器の導入を手助けしてくれるのは入れ替えのチャンスのはずです。細かな諸問題があるのかもしれませんが、それこそ政府主導で整理してもらえば良い。そういう事も取材相手は言っていたと思うのです。しかし記事内では何も触れていません。

ペンは武器とは良く言ったもので、このように自分たちの都合の良いことしか報道しない事で利益誘導と受け取りかねないような文章を書く事ができます。「株式会社」という利益追求が必須の組織では仕方のないことなので同情はします。しかしそうやって自分の首を絞めているマスコミを見てると、そもそもあなたたちの仕事とは何でしょうか?と問いかけてみたくなる時があります。公共性を謳うのなら、全ての報道に中立性を忘れないでいただきたいと。

ちなみに、その朝日新聞がさりげなく行った電波行政批判を池田信夫さんが分かりやすく解説しています。

テレビ局の「ごね得」を擁護する朝日新聞

こんな情報が入手出来るのも広告主に配慮しないで情報発信が可能なwebならではです。

ちなみに当件については利益誘導的な記事だったのもさることながら、記事の書き方がお粗末なのが悲しいと思いました。このような主義主張には必ず自身の利益に対する何かしらの考えが含まれています。その裏も併せて指摘しつつ報道するのが大手メディアに求められるものではないかと思いますし、それが出来る技術もある(はずです)。これは簡単に言えば「中立性」という言葉にもなります。それが出来ない朝日新聞であるはずがありません。

世の中の全ての物事には表と裏があって、それは1:1の関係のはずです。左を見る人には右を見ない理由があるし、上を向かない人は下を見る理由があります。情報を発信する立場の人には、どちらも併せて発信して欲しいと思う今日この頃。

そんなわけで、天下の朝日新聞ともあろうものが、このような稚出な記事を書いていると本当に没落してしまいますよ、と余計なお節介を焼きつつ今日はおしまい。