pc4beginnerの日記 はてなブログ版

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6100億円がe-tax化しないか心配。

国民IDは超重要ですが、この巨額予算をITゼネコンが吸い込んでeTaxみたいなゴミを作らないかどうか心配です。

 日経コンピュータReport:国民IDのシステム開発に6100億円(ITpro)

国の作ったITシステムとして最も酷いもののひとつがe-Taxですが、これは本当に酷いものです。ITリテラシーがそれほど低くないと思われる自分ですら仕様理解が困難、かつ申請に失敗。あれが普及されても困る。インターネット経由のクラサバシステムって感じの代物なんですが、こんな技術的に困難なチャレンジはしないでほしかった。しかもクライアント側にデータ保存されるから作業完了までPC買い換えできないのです。

ちなみに税務署で申告に使うwebシステムは良くできてました。説明のアルバイトの人も親切。官僚様が作った高尚なITシステムが分からない情報弱者な自分は毎年税務署に行く運命にあるらしいようです。そのほうが簡単、便利、確実なんだもん。IT関連で飯を食べている自分ですらITって手間がかかるのね、て言う方に回ってしまいました。

電子政府なんて言葉が聞こえた時期があったけど、きっとずっと永遠にそんなものはこないのではないでしょうか。使い手じゃなく、作り手に問題があるから。どんなものに対しても誰かが足を引っ張って仕様を歪めるこの日本で、誰もが簡単に使える公共システムなんてできる日が来ることを信じ切れません。

ヤフーやamazongoogleなどの民間企業が便利なサービスを提供できても、政府にはもうできないと言ってしまわなければいけないのでしょうか。これは政府ではなくITゼネコンの構造的な問題だからどうしようもない部分ではあります。ビル作るみたいに下請け、孫請けに丸投げして作れるものではないのにそうやって作っているから仕方無い話なのですが。

困ったことにそのゼネコン構造は雇用を創出するため、メスが入れにくいという問題があります。システム化のメリットの対極がゼネコン構造で、そのシステム化を担ってる産業がゼネコン構造というジレンマを、できるだけ多くの人々に知って欲しい。

システム化は人員削減を可能にする武器なのに、システム産業自体が人員増加を招くゼネコン構造って皮肉を知った上で、電子政府とかシステムの活用って戯言を声高に叫ぶ政治家は言葉を選んで欲しい。これの問題は根深くてゼネコン構造やめても問題は解消されないけど、それはまた別のところで。

さっくり言うと日本人、というか人間のメンタリティーが問題ではないかと考えています。ロジカルな思考の結果導き出された回答を、否定したことが1度も無い人間が身の回りにいたら教えて欲しい。情報不足で間違った解を導き出してしまうのではなく、間違った解を押し通す不条理さが問題なのです。

といいながら、昨日仕事で理不尽な理論を頑張って押し通した自分がいます。嗚呼、自己嫌悪。