pc4beginnerの日記 はてなブログ版

はてなダイアリーで書いていたブログの移行です。

楽することと、手を抜くことは違う

私はキレられるほうです、と前置きしてのエントリです。
そしてシステムとはサービスである、と前置きしておきます。

■自分と同じ苦労をしなくていい人を見るとキレる人々

自分で言うのも変ですが、私は同年代の中でも稼いでいないほうだと思います→中の下ぐらいでしょうか。
仕事もそれなりですし、この厳しいシステム業界の中にあってそれほど残業が厳しいわけでもなく、自分の時間を確保しつつ日々生きています。

で、忙しいと言う人に提言すると、だいたい怒られます。

「もっと楽に仕事しましょうよ」

「手なんか抜けるか!」

・・・いえ、手を抜くなんて一言も言ってませんが。

システムの仕事はテストや検証、前準備などその気になれば24時間フルに使い切ったって絶望的に時間が足りません。その中で折り合いをつけ、ユーザーと相談をし、自分の技術を振り絞ってサービス(そう、システムではなくサービス)を提供しています。

ただし、自分の許容量を超えたら満足なサービスなんて提供できません。溺れそうになってもがいている人が、どうやったら楽に泳げるか考えろといっているようなものだと思います。

システムなんて所詮0と1の世界なので、とっつきにくく、理解しにくく、作る際に失敗しやすいものです。なので本当に天才と呼ばれる人がシステムを構築すると、それは芸術的ともいえるほど美しいものです。

しかしすべての人が天才と言うわけではありません。泥臭く仕様を詰め、様々なテストをこなし、ユーザーの意見を汲み取りながらバランスをとってシステムを積み上げていくわけです。まさしくそれはサービスなのです。

その過程は非常に厳しく、過ぎていく時間と、自分の体力と能力との戦いになります。なので楽にできることはできる限り楽にしておかないと、本当に力を出さなければいけないときに余力が費えてしまう。

自分の上に管理する人間がいて、適宜仕事配分をしてくれるならば話は違います。しかし仕事に関わる人全員が余力の無い状況ならば、自分の仕事が溢れそうになっても誰も助けてくれないわけです。ならば必死に考え、楽できるものは楽して時間と余裕を捻出するするしかない。と思うのは普通ではないでしょうか。

もちろん、新人が技術を学んでいる間は、追い詰められることで能力を伸ばすことができるためこの限りではありません。しかしサービスとは相手を気持ちよくすることなのですから、自分に余裕がまったく無ければ相手を気持ちよくさせるなんて難しいんじゃないでしょうか。

ここで勘違いしてほしくないのは、「必死で考える」が無ければ、その行為は手抜きだってことです。楽するために考えるからこそ、手抜きではない楽が産まれるわけです。仕事が忙しかったら、プライベートの時間で必死に楽する方法を考えます。


風呂の中で。
音楽を聴きながら。
撮り貯めたビデオを見ながら。
布団の中で虚空を見つめて。


この過程を知らない人からすれば、やっぱり

「手抜きなんかできるか!」

と怒られるんでしょう。

でも、楽するために時間をかけて考えてきてるわけです。
仕事以外の時間で。
いや、仕事の間も考えますが。

引用したエントリを読んで、ふとそんなことを考えてしまいました。